こんにちは!「コンビニぐらし」の木内澄也です。 コンビニ業界に20年以上従事し、店長として様々なトラブルに対応してきました。
「これって警察を呼んでいいの?」
「大げさにしたくないけど、どうしよう…」
「お客様同士のケンカ、どうすれば…」
「万引きを見たけど、自分で対応すべき?」
コンビニで働いていると、こうした「警察を呼ぶべきか迷う場面」に遭遇することもあります。
私も店長時代、何度もこの判断を迫られました。 深夜の酔っ払い、万引き、お客様同士の口論、暴言を吐くお客様。
そのたびに「今、警察を呼ぶべきか?」と考えてきました。
でも、20年以上の経験から、はっきりとお伝えできることがあります。
「迷ったら呼ぶ」が正解です。
警察を呼ぶことは、決して大げさではありません。 むしろ、呼ばずに我慢することの方が危険です。
この記事では、店長経験者の立場から、警察を呼ぶべきトラブルを網羅的に解説します。
- コンビニで警察を呼ぶべきトラブルとは?
- よくある警察通報ケースまとめ
- 警察を呼ぶときの店員の対応手順
- 通報後の流れと注意点
- まとめ|迷ったら「安全優先」でOK
お客様同士のトラブルや警察を呼ぶべきトラブル5選でも詳しく解説していますが、今回はより実践的に、現場で使える判断基準をお伝えします。
あなたの安全を守るために、正しい知識を身につけましょう。
コンビニで警察を呼ぶべきトラブルとは?

「警察を呼ぶ=最後の手段」ではない理由
多くのスタッフが誤解していることがあります。
「警察を呼ぶのは、最後の最後の手段」
でも、これは間違いです。
警察を呼ぶことの本当の意味
警察を呼ぶ=適切な対応
- 専門家に任せること
- 安全を確保すること
- 法的に正しい対応をすること
- エスカレートを防ぐこと
私が店長時代、新人スタッフによく言っていたことがあります。
「警察を呼ぶことを躊躇しないで。それは正しい判断だから」
警察を呼ぶことは、決して大げさではありません。
「大げさにしたくない」が招く危険
私の店舗で、こんなことがありました。
夜勤のスタッフが、酔っ払いのお客様に絡まれました。 スタッフは「大げさにしたくない」と思い、一人で対応しようとしました。
結果、お客様がエスカレートし、商品棚を倒してしまいました。 もっと早く警察を呼んでいれば、防げたトラブルでした。
「大げさにしたくない」の危険性
- 状況が悪化する
- 怪我のリスクが高まる
- 店舗の被害が拡大する
- 他のお客様にも危険が及ぶ
「大げさにしたくない」という気持ちは分かります。 でも、それが原因で大きなトラブルになることの方が多いのです。
警察が求めているのは「早めの通報」
私が警察官と話したとき、こう言われました。
「大事になる前に呼んでほしい。その方が、みんな安全です」
警察も、早めの通報を歓迎しています。 「呼びすぎ」を心配する必要はありません。
警察が求めていること
- 早めの通報
- 正確な状況報告
- 安全確保の協力
- 事実に基づく情報
私が店長として学んだのは、「迷ったら呼ぶ」が正解だということです。
店員判断が遅れることで起こるリスク
警察を呼ぶ判断が遅れると、様々なリスクが生じます。
判断が遅れることのリスク
安全面のリスク
- スタッフが怪我をする
- お客様が怪我をする
- 暴力がエスカレートする
- 武器を使われる可能性
店舗運営のリスク
- 商品が破損する
- 備品が壊される
- 他のお客様が帰ってしまう
- 店の評判が下がる
法的リスク
- 証拠が消える(逃走、防犯カメラの上書きなど)
- 適切な対応が取れなくなる
- 損害賠償が難しくなる
私の店舗で、万引きを発見したのに通報が遅れ、犯人が逃走したことがありました。 防犯カメラの映像はあったものの、もっと早く通報していれば現行犯逮捕できたはずでした。
「様子を見よう」が命取りになる
トラブルは、「様子を見よう」と思っている間にエスカレートします。
エスカレートの例
- 口論→大声→暴力
- 酔っ払い→絡む→暴れる
- クレーム→暴言→脅迫
- 万引き→逃走→再犯
私が店長として最も後悔したのは、「もう少し様子を見よう」と思ったときでした。 その数分の判断の遅れが、大きなトラブルにつながったのです。
正しい判断のタイミング
すぐに警察を呼ぶべきサイン
- 暴力が起きている
- 大声で怒鳴っている
- 脅迫的な言葉を使っている
- 複数人が関与している
- お酒が入っている
- 武器がある
これらのサインが一つでもあれば、迷わず警察を呼んでください。

よくある警察通報ケースまとめ
お客様同士の喧嘩・暴言
お客様同士のトラブルは、最も警察を呼ぶべきケースの一つです。
警察を呼ぶべきお客様同士のトラブル
即座に通報すべきケース
- 殴り合い、つかみ合いが始まった
- 大声で怒鳴り合っている
- 武器を持っている(傘、棒など)
- 店の備品が壊された
- 駐車場での接触事故
- 怪我人が出た
様子を見てから判断するケース
- 口論だけで収まっている
- 声のトーンが落ち着いている
- 当事者同士が話し合っている
ただし、「様子を見る」場合も、必ず店長に報告してください。 バイトが単独で判断すべきではありません。
なぜお客様同士のトラブルで警察を呼ぶべきか
警察を呼ぶ理由
- バイトが仲裁に入ると危険
- 中立を保つため
- エスカレートを防ぐため
- 法的な対応が必要な場合がある
私が店長時代、お客様同士のケンカを目撃したスタッフが「仲裁しなきゃ」と近づこうとしました。 私は慌てて「近づかないで!警察を呼んで!」と止めました。
バイトの役割は、仲裁ではありません。 安全確保と通報です。
レジの順番トラブル
よくあるのが、レジの順番を巡るトラブルです。
レジ順番トラブルの例
- 「私が先だった」と口論
- 横入りを注意されて逆ギレ
- 並ばずにレジに来て揉める
こうしたトラブルは、最初は小さくても、エスカレートしやすいのが特徴です。
私の店舗では、レジの順番トラブルが暴力に発展したことがありました。 最初は「私が先です」という小さな口論だったのに、数分後には殴り合いになっていました。
早めの通報が大切です。
お客様同士のトラブルの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
万引きや器物破損
万引きは、必ず警察を呼ぶべきケースです。
万引き対応の基本
絶対にやってはいけないこと
- 自分で捕まえる
- 追いかける
- カバンを見せるよう要求する
- 「万引きですよね」と声をかける
正しい対応
- 安全な場所から観察する
- 店長に報告する
- 店長判断で警察に通報する
- 防犯カメラの映像を確保する
私が店長時代、万引き犯を追いかけようとしたスタッフを何度も止めました。
万引き犯が逆上して、スタッフが怪我をするリスクがあるからです。
万引きかどうか判断する基準
万引きと確定できる条件
- 商品を手に取った
- カバンやポケットに入れた
- レジを通さずに店外に出た
この3つが揃って初めて、万引きです。
私の店舗では、防犯カメラでこの3つを確認してから、警察に通報していました。
器物破損への対応
器物破損の例
- 商品棚を倒した
- ガラスを割った
- 商品を投げた
- ドアを蹴った
こうした場合も、必ず警察に通報してください。 器物破損は犯罪です。
私の店舗で、お客様が怒って商品棚を蹴り倒したことがありました。 すぐに警察を呼び、被害届を出しました。
店舗の財産を守ることも、重要な仕事です。
「今回だけ見逃して」と言われたら
万引き犯から「今回だけ見逃してください」と言われることがあります。
絶対に見逃してはいけない理由
- 犯罪行為だから
- 再犯を招くから
- 他の万引き犯を呼び込むから
- 「甘い店」と思われるから
私が店長時代、必ず警察に通報していました。 「今回だけ」という言葉に、騙されてはいけません。
酔客・暴れるお客様
酔っ払いや暴れるお客様は、予測不可能で危険です。
即座に警察を呼ぶべき酔客トラブル
通報すべきケース
- 商品を投げる、棚を倒す
- スタッフに絡む、掴みかかる
- 大声で騒ぐ、歌う
- 店内で寝る、座り込む
- 他のお客様に絡む
- 嘔吐、排泄
深夜営業のコンビニ特に繁華街等の立地では、酔客トラブルが非常に多いです。
酔客の特徴と危険性
酔客の危険性
- 理性が働かない
- 言葉が通じない
- 予測不可能な行動
- 急に暴力的になる
- 記憶がない
私の店舗で、酔っ払いのお客様が突然商品棚に体当たりしたことがありました。 理由は「なんとなく」でした。
こうした予測不可能な行動が、酔客の最も危険な点です。
「帰ってください」は通じない
酔客に「帰ってください」と言っても、ほぼ通じません。
酔客への対応
- 距離を取る
- 刺激しない
- すぐに警察を呼ぶ
- 他のお客様を遠ざける
私が店長時代、スタッフに「酔客には近づかないで」と厳しく言っていました。 何をするか分からないからです。
ストーカー・つきまとい被害
ストーカーやつきまといは、早めの警察相談が必要です。
警察に相談すべきストーカー行為
相談すべきケース
- 特定のスタッフにつきまとう
- 連絡先を執拗に聞いてくる
- 毎日のように来店して話しかける
- 店の外で待ち伏せしている
- プライベートな質問をしてくる
- SNSで探している様子がある
一度でも身体的接触や性的発言があれば、即座に通報してください。
私が店長時代、女性スタッフへのストーカー行為がありました。 最初は「常連さんかな」と思っていましたが、徐々にエスカレートしました。
ストーカーは放置すると必ずエスカレートする
エスカレートの段階
- よく来店する
- 特定のスタッフに話しかける
- プライベートな質問をする
- 連絡先を聞く
- 店外で待ち伏せする
- つきまとう
- 身体的接触
放置すると、確実にエスカレートします。
私の店舗では、第3段階(プライベートな質問)の時点で警察に相談していました。
店としての対応
店側がすべきこと
- スタッフの証言を記録
- 防犯カメラの映像を保存
- 警察に相談
- 該当スタッフのシフトを調整
- 必要なら出入り禁止措置
- 他のスタッフにも共有
私が店長として最も恐れていたのは、スタッフが被害に遭うことでした。
スタッフの安全を守ることが、店長の最も重要な仕事です。
体調不良・倒れたお客様
お客様が店内で倒れた場合も、すぐに対応が必要です。
すぐに119番すべきケース
救急車を呼ぶべきケース
- 意識がない
- 呼吸が止まっている
- 大量の出血
- 胸を押さえて苦しんでいる
- けいれんを起こしている
- 高齢者が転倒した
命に関わる可能性があるため、迷わず119番してください。
私が店長時代、店内でお客様が倒れたことがありました。 すぐに119番し、救急隊が到着するまでお客様に声をかけ続けました。
「大丈夫です」と言われても油断しない
倒れたお客様が「大丈夫です」と言っても、油断してはいけません。
注意すべきサイン
- 顔色が悪い
- 冷や汗をかいている
- 呼吸が荒い
- 言葉がはっきりしない
こうしたサインがあれば、必ず119番してください。
AEDの使い方を確認しておく
店内にAEDがある場合、使い方を確認しておいてください。
AEDの基本
- 心肺停止の疑いがあるときに使う
- 音声ガイドに従えば誰でも使える
- 使って損はない(必要ないときは作動しない)
私が店長時代、スタッフ全員にAEDの使い方を確認していました。 いざというときのために。
お客様の体調不良時の対応については、詳しく解説してますので是非ご覧ください。
緊急時対応は知っておくことが大切です。
警察を呼ぶときの店員の対応手順
まずは「安全の確保」が最優先
警察を呼ぶ前に、何よりも安全確保が最優先です。
自分の安全を確保する
安全確保の方法
- カウンター内に留まる
- トラブルから2メートル以上離れる
- 逃げ道を確保する
- 危険物(ペン、ハサミなど)を遠ざける
あなたの命が、何よりも大切です。
私が店長時代、スタッフに「まず自分の安全。それ以外は考えなくていい」と伝えていました。
他のお客様の安全を確保する
他のお客様への対応
- 「危険ですので、離れてください」と伝える
- レジ前や安全な場所に誘導する
- 子供やお年寄りを優先的に遠ざける
- 入口から離れた場所に誘導する
私の店舗で、お客様同士のケンカがあったとき、他のお客様を裏口から避難させたことがありました。 安全確保が最優先だからです。
他のスタッフを呼ぶ
一人で対応せず、他のスタッフを呼んでください。
複数人対応のメリット
- 安全性が高まる
- 役割分担ができる(一人が通報、一人が観察など)
- 証人になる
- 心理的に安心できる
私が店長時代、トラブル時は必ず複数人で対応するよう指示していました。
警察への通報は簡潔に「誰が・どこで・何を」
110番するときは、落ち着いて簡潔に伝えてください。
110番で伝えるべき情報
最優先で伝えること
- 場所(住所・店名)
- 何があったか(トラブルの種類)
- けが人の有無
- 危険な状況かどうか
具体例 「〇〇市〇〇町〇丁目〇番地、〇〇店です。お客様同士が殴り合いをしています。けが人はまだいません。今も続いています」
これだけで大丈夫です。
警察からの質問に答える
警察官が追加で質問してくることがあります。
よくある質問
- 「相手はどんな人ですか?」
- 「武器はありますか?」
- 「何人いますか?」
- 「あなたは安全ですか?」
落ち着いて、知っている情報を伝えてください。
分からないことは「分かりません」と言って大丈夫です。
通報時の注意点
注意すべきこと
- 落ち着いて話す
- 事実だけを伝える
- 推測や憶測は言わない
- 電話を勝手に切らない
私が初めて110番したとき、緊張で声が震えていました。 でも、警察官が優しく「落ち着いて大丈夫ですよ」と言ってくれました。
完璧に話せなくても大丈夫です。
店長・オーナーへの報告のタイミング
警察を呼ぶ前後で、店長への報告も忘れずに。
報告のタイミング
理想的な流れ
- トラブル発生
- 安全確保
- 店長に報告(可能なら)
- 店長判断で警察通報
- 警察到着後、再度店長に報告
緊急時の流れ
- トラブル発生
- 安全確保
- すぐに110番(命の危険がある場合)
- 通報後、店長に報告
命の危険がある場合は、店長の判断を待たずに110番してください。
私が店長時代、スタッフに「危険だと思ったら、私への報告を待たずに110番してね」と伝えていました。
夜勤で一人の場合
夜勤で一人体制の場合、店長がすぐに来られないこともあります。
一人体制での対応
- まず店長に電話で状況を伝える
- 危険な場合は、店長の返事を待たずに110番
- 通報後、店長に「110番しました」と報告
報告すべき内容
店長に伝える情報
- いつ(何時何分)
- どこで(店内・駐車場など)
- 誰が(お客様・スタッフ)
- 何があったか
- 今の状況
- 警察を呼んだか
メモを取りながら報告すると、伝え忘れがありません。
通報後の流れと注意点
証言や防犯カメラ対応の流れ
警察が到着したら、落ち着いて対応してください。
警察到着後の流れ
基本的な流れ
- 警察が到着
- 状況説明を求められる
- 事情聴取(簡易的なもの)
- 防犯カメラの映像提供を求められる可能性
- 警察の処置(相手の逮捕・注意など)
- 警察が帰る
- 店長への報告
私が店長時代、警察対応は必ず私が行っていました。 でも、バイトも基本的な流れを知っておくことが大切です。
警察への説明の仕方
説明のポイント
- 時系列で話す
- 事実だけを話す
- 見たこと、聞いたことだけを話す
- 推測や憶測は言わない
- 分からないことは「分かりません」
例: 「〇時〇分頃、レジ前でお客様2人が口論を始めました。最初は小さな声でしたが、徐々に大きくなり、殴り合いになりました。私はカウンター内から見ていました」
これだけで十分です。
防犯カメラの映像提供
警察から防犯カメラの映像を求められることがあります。
映像提供の流れ
- 警察から要請がある
- 店長・オーナーに確認
- 該当時間帯の映像をコピー
- 警察に提供
- 提供記録を残す
バイトが単独で映像を提供することはありません。 必ず店長の指示を待ってください。
私が店長時代、警察からの映像提供要請には必ず応じていました。 トラブル解決のために必要だからです。
SNSや動画拡散トラブルへの注意
最近増えているのが、トラブルの動画をSNSに投稿されるケースです。
SNS投稿のリスク
SNS投稿で起こるトラブル
- 店の評判が下がる
- 事実と異なる情報が拡散される
- スタッフが特定される
- 二次被害が発生する
動画撮影への対応
お客様がトラブルを撮影している場合、どうすべきか。
基本的な対応
- 撮影を止めることはできない(法的に)
- 「お客様のプライバシー保護のため、撮影はお控えください」とお願いする程度
- 無理に止めようとしない
- 店長に報告する
強引に撮影を止めようとすると、かえってトラブルになります。
私が店長として学んだのは、「撮影されても問題ない対応をすること」でした。
正しい対応をしていれば怖くない
SNSに投稿されても大丈夫な理由
- 正しい対応をしていれば、批判されない
- 事実は警察が証明してくれる
- 防犯カメラの映像が証拠になる
正しい対応をしていれば、恐れる必要はありません。
「やりすぎ対応」にならないために
警察を呼ぶことは正しい対応ですが、「やりすぎ」にならないよう注意も必要です。
やりすぎ対応とは
やりすぎ対応の例
- 小さなクレームで警察を呼ぶ
- お客様の意見を全く聞かずに通報する
- 威圧的な態度で「警察を呼びますよ」と脅す
- 状況を確認せずに通報する
私が店長時代、こうした「やりすぎ対応」は厳に慎むよう指導していました。
適切な対応と過剰な対応の境界線
適切な対応
- 暴力・暴言があったとき
- 危険を感じたとき
- 犯罪行為があったとき
- お客様同士のトラブルがエスカレートしたとき
過剰な対応
- お客様が不満を言っているだけで通報
- 冷静に話し合えている段階で通報
- 店側のミスに対するクレームで通報
私が店長として心がけていたのは、「危険か、犯罪か」を基準に判断することでした。
「警察を呼びますよ」は脅しにならない
お客様に「警察を呼びますよ」と言うことは、脅しではありません。
正しい伝え方
- 「これ以上続く場合、警察を呼ばせていただきます」
- 「お客様の安全のため、警察を呼ばせていただきます」
- 「店の規則で、警察に連絡することになっています」
冷静に、毅然と伝えてください。
私の店舗では、この一言で多くのトラブルが収まりました。 「警察を呼ぶ」という言葉だけで、冷静になるお客様が多いのです。
まとめ|迷ったら「安全優先」でOK
現場判断に迷ったときの思考軸
この記事で最もお伝えしたかったのは、「迷ったら呼ぶ」が正解だということです。
まとめ
- 「警察を呼ぶ=最後の手段」ではない
- 判断が遅れることで起こるリスクを理解する
- お客様同士のトラブル、万引き、酔客、ストーカーは警察案件
- まず安全確保、次に通報
- 110番は落ち着いて「誰が・どこで・何を」
- 警察到着後は正直に協力する
- SNS対策は「正しい対応」をすること
- 「やりすぎ対応」にも注意する
- 迷ったら「安全優先」で判断する
私が店長として20年以上働いてきて、学んだことがあります。
トラブル時に最も大切なのは、「安全」と「冷静さ」です。
判断に迷ったときの3つの質問
自分に問いかける3つの質問
- 「これは危険か?」
- 「これは犯罪か?」
- 「自分一人で対応できないか?」
この3つのうち、一つでも「はい」なら、警察を呼んでください。
私が店長時代、スタッフにこの3つの質問を教えていました。 これだけで、ほとんどの判断ができます。
「大げさ」を恐れない
多くのスタッフが「大げさにしたくない」と思っています。
でも、はっきりお伝えします。
「大げさ」を恐れる必要はありません。
あなたの安全が、何よりも大切です。 お客様の安全が、何よりも大切です。
「大げさにしたくない」と思って我慢した結果、大きなトラブルになった例を、私は何度も見てきました。

「自分の身を守る」ことも立派な仕事
最後に、これだけは覚えておいてください。
あなたの身を守ることは、立派な仕事です。
バイトの役割は「対応すること」ではない
多くのスタッフが誤解していることがあります。
「バイトなんだから、トラブルに対応しなきゃ」
でも、違います。
バイトの役割
- 安全を確保すること
- 報告すること
- 指示に従うこと
バイトの役割ではないこと
- トラブルを解決すること
- 危険に飛び込むこと
- 責任を負うこと
私が店長時代、スタッフに「あなたの役割は、安全確保と報告。それ以上は求めていない」と伝えていました。
逃げることは恥ずかしくない
トラブルから逃げることは、恥ずかしいことではありません。
逃げることは正しい判断
- 命を守る最優先の行動
- プロ(警察)に任せる判断
- 冷静な対応
私の店舗で、夜勤スタッフが酔客に絡まれたとき、バックヤードに逃げ込んで110番したことがありました。
私はそのスタッフを褒めました。 「よく逃げてくれた。それが正しい判断だ」と。
あなたは一人じゃない
トラブルに遭遇したとき、一人で抱え込まないでください。
あなたを守る存在
- 店長
- 同僚
- 警察
- 本部
私が店長として最も大切にしていたのは、「スタッフを守ること」でした。
どんなトラブルがあっても、スタッフの安全を最優先にしていました。
今、この記事を読んでいるあなたへ。
もしトラブルに遭遇したら、迷わず報告してください。 危険を感じたら、迷わず110番してください。
あなたの安全が、何よりも大切です。
何かご質問があれば、いつでも「コンビニぐらし」でお待ちしています!
よくある質問(FAQ)
Q1. 警察を呼んだら、お客様との関係が悪くなりませんか?
A. トラブルを起こす人との関係を心配する必要はありません。
あなたの安全が最優先
考え方
- 暴力や暴言を振るう人は「お客様」ではない
- あなたの安全が何よりも大切
- 店舗の秩序を守るために必要な対応
- 他のお客様の安全も守る
私が店長時代、「警察を呼ぶのは申し訳ない」と躊躇するスタッフがいました。 私は「あなたの安全が最優先。申し訳なく思う必要はない」と伝えました。
正しい対応をすれば理解される
ほとんどのお客様は、警察が必要な状況であることを理解してくれます。
理解してもらえる理由
- 危険な状況だから
- 法的に正しい対応だから
- 他のお客様のためでもあるから
私の店舗では、トラブルで警察を呼んだ後、常連のお客様から「大変でしたね。正しい判断でしたよ」と声をかけられることが多かったです。
Q2. 万引きかどうか確信が持てません。通報すべきですか?
A. 確信が持てない場合は、まず店長に報告してください。
確信が持てない段階での対応
すべきこと
- 店長に「万引きの可能性があります」と報告
- 防犯カメラで確認
- 店長が判断する
- 見守りを強化する
すべきでないこと
- 声をかける
- 追いかける
- 決めつける
私が店長時代、「万引きかも…」という報告を受けたとき、必ず防犯カメラで確認してから判断していました。
万引きの確定条件
万引きと確定できる3条件
- 商品を手に取った
- カバンやポケットに入れた
- レジを通さずに店外に出た
この3つが揃って初めて、万引きです。
2つまでの段階では、「万引きの可能性」に留めてください。
警察を呼ぶべきトラブル5選の記事でも詳しく解説しています。
Q3. 110番するとき、緊張して何も話せなくなりそうです…
A. 大丈夫です。警察官が優しく聞き取ってくれます。
緊張を和らげる方法
事前準備
- 店舗の住所をメモして目の前に置く
- 「〇〇店です」と最初に言う
- 深呼吸してから電話する
- 伝えたい内容をメモしておく
話せなくなったら
- 「緊張しています」と正直に言う
- 警察官の質問に答える形でOK
- 完璧に話せなくても大丈夫
私が初めて110番したとき、緊張で声が震えていました。 でも、警察官が「落ち着いて大丈夫ですよ。ゆっくりで構いません」と優しく言ってくれました。
最低限伝えるべきこと
これだけ伝えれば十分
- 「コンビニでトラブルです」
- 「〇〇店です」
- 「お客様が暴れています」
この3つで、警察は駆けつけてくれます。
Q4. お客様同士のケンカで、どちらが悪いか聞かれたらどうすればいいですか?
A. 「分かりません」「見ていた範囲でお答えします」と答えてください。
中立を保つことが大切
答え方のポイント
- 「どちらが悪いかは分かりません」
- 「警察の方に判断していただきます」
- 「見た範囲でお伝えします」
- どちらの味方もしない
私が店長時代、スタッフに「絶対にどちらかの味方をしないで」と厳しく言っていました。
偏った発言のリスク
リスク
- あなたが責められる対象になる
- トラブルがさらに拡大する
- 店へのクレームに発展する
- 後で事実と異なることが判明する
私の店舗で、スタッフが「そちらのお客様が悪いと思います」と言ってしまい、その後そのスタッフが責められ続けたことがありました。
中立を保つことが、最も安全です。
Q5. 夜勤で一人のとき、トラブルが起きたら怖いです…
A. その不安は当然です。事前の準備が大切です。
夜勤での事前準備
準備すること
- 店長の連絡先をすぐ見える場所に貼る
- 110番のかけ方を確認(店舗住所も)
- 防犯ブザーの場所を確認
- 逃げ道を確認(バックヤード、裏口など)
- カウンター内に留まることを意識
私が店長時代、夜勤スタッフには必ず「困ったらすぐ電話して。深夜でも構わない」と伝えていました。
トラブル時の対応
一人体制での対応手順
- まず店長に電話で状況を伝える
- 危険な場合は、店長の返事を待たずに110番
- カウンター内に留まる
- 無理に対応しようとしない
- 他のお客様を遠ざける
私の店舗では、夜勤スタッフが110番した後、私もすぐに店に向かっていました。
夜勤の記事でも、夜勤の不安や対処法について詳しく解説しています。
Q6. 警察を呼んだ後、店にクレームが来ませんか?
A. 適切な対応であれば、クレームを恐れる必要はありません。
正当な通報は守られる
正当な通報理由
- 暴力・暴言
- 万引き・犯罪行為
- 危険な状況
- お客様同士のトラブル
これらは正当な理由です。 クレームが来ても、店として毅然と対応します。
私の店舗では、適切な警察通報でクレームが来たことは一度もありませんでした。
万が一クレームが来たら
店長が対応する
- バイトが対応する必要はない
- 店長・本部が対応する
- 法的にも問題ない
- 記録があれば証明できる
私が店長として働いていた中で、適切な警察通報でクレームになったことは一度もありません。
むしろ、「よく対応してくれた」と感謝されることの方が多かったです。
安心して、必要なときは警察を呼んでください。
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私が店長としてスタッフに伝えていたのは、「危険だと感じたら、それが正解のサイン」ということでした。
あなたの直感を信じてください。